幼年期の虐待は偏頭痛と関連する - 虎の門針灸院ノート
この報告は、11ヶ所の頭痛センター外来で偏頭痛と診断された1,348名を対象とした横断的研究によるものです。患者の88%は女性で、平均年齢は41歳でした。
虐待のタイプによる増加
•Physical abuse: 21%
•Sexual abuse: 25%
•Emotional abuse: 38%
•Physical neglect: 22%
•Emotional neglect: 38%
これらの患者にはうつ傾向が認められており、不安が関係するようです。情緒的虐待・無視が38%とやや高いようです。情緒的虐待は継続的な日常の頭痛と関連し、激しい頭痛は機能障害、偏頭痛、アロディニアとも関連すると、著者は述べています。
社会人口学的因子の補正後もなお、情緒的虐待と頭痛の慢性化と偏頭痛への移行は関連していました(OR 1.69, 95% CI 1.224 to 2.33 and OR 1.73, 95% CI 1.22 to 2.46, respectively)。
また、幼年期の情緒的虐待は青年期における頭痛発症の開始とも関連するようです。併発する症状は、1つの者は61%、2つは18%、3つかそれ以上では13%です。
その他では。Prevalence of pain conditions was as follows:
•Irritable bowel syndrome: 31%
•Chronic fatigue syndrome: 16%
•Fibromyalgia: 10%
•Interstitial cystitis: 6.5%
•Arthritis: 25%
•Endometriosis (in women): 15%
•Uterine fibroids (in women): 14%
過敏性腸症候群が31%とやや高いようです。情緒的虐待は過敏性腸症候群と慢性疲労症候群と関連し、身体的虐待は関節症と関連すると述べています。また、女性では身体的虐待は子宮内膜症、身体的無視は子宮類線維腫と関連するとも述べています。
情緒的虐待と情緒的無視が疼痛を増加させる傾向は、不安感、うつ傾向を補正しても、それぞれOR 1.69, 95% CI 1.224 to 2.33 and OR 1.73, 95% CI 1.22 to 2.46と、関連していました。
この研究の限界としては、コントロール群の不足と、デザインが後ろ向きであること、自己申告による、などが考えられます。それでも、幼年期の身体・情緒的虐待はその後の精神神経症状に影響を与える、1因子ではあるようです。
Tietjen GE, et al "Childhood maltreatment and migraine (Part I). Prevalence and adult revictimization: A multicenter headache clinic survey" Headache 2010: DOI: 10.1111/j.1526-4610.2009.01556.x.
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