IRS−1及びAKTを活性化する方法|詳細 - Astamuse(アスタミューゼ)
以下の情報は、出願公開日時点(2010年11月11日)のものです。
0001
本発明は、IRS−1及び/又はAKTの活性を調節するための方法、並びにIRS−1及び/又はAKTキナーゼに関連する障害を治療するための方法に関する。
0002
lynキナーゼは、Bリンパ系及び骨髄系細胞において主に発現される非受容体タンパク質チロシンキナーゼのsrcファミリーのメンバーである。例えば、非特許文献1を参照のこと。lynは、内因性チロシンキナーゼ活性を欠く細胞表面受容体からのシグナル伝達に関与する。lynキナーゼ活性の活性化は、IL−6によって刺激されるCD45+骨髄腫細胞の増殖に必要である。例えば、非特許文献2を参照のこと。lyn及びfynと糖タンパク質VIのプロリンリッチドメインとの結合は、細胞内シグナル伝達を調節する。例えば、非特許文献3を参照のこと。lyn/CD22/SHP−1経路は自己免疫において重要である。例えば、非特許文献4を参照のこと。
0003
肥満症、高脂血症及び糖尿病は、例えば、西洋社会における病的状態のかなりの割合を現在占めるアテローム硬化性心臓血管疾患を含む、種々の障害において因果的役割を果たすことが示された。「シンドロームX」又は「メタボリックシンドローム」と呼ばれる、1つのヒトの障害は、欠陥のあるグルコース代謝(例えば、インスリン抵抗性)、上昇した血圧(即ち、高血圧症)、及び血中脂質不均衡(即ち、異常脂質血症)によって症状発現される。例えば、非特許文献5を参照のこと。
0004
lynキナーゼを調節するため又は上昇したグルコース値を管理するための現在市販されている薬物のいずれも、血中の脂質、リポ蛋白、インスリン及びグルコース値を調節することにおいて一般的な有用性を有しない。従って、これらの有用性の1つ又はそれ以上を有する化合物が、明らかに必要とされる。さらに、血清コレステロールを低下させる、血清HDL値を増加させる、冠状動脈性心疾患を予防する、及び/又は、既存の疾患、例えば、アテローム性動脈硬化症、肥満症、糖尿病、並びにグルコース代謝及び/又は上昇したグルコース値によって影響される他の疾患を治療する点で効果的であるより安全な薬物を開発する明らかな必要性がある。
0005
出願人は、今回、本明細書において議論されるものなどのlynキナーゼのアクチベーターが、IRS−1及びAKTも活性化し、従って、IRS−1及び/又はAKTに関連する疾患、障害及び/又は状態を治療するために使用され得ることを見出した。
0006
0007
本発明は、心臓血管疾患、異常脂質血症、脂肪蓄積レベルを低下させること、異常リポ蛋白血症、グルコース代謝の障害(即ち、上昇した血中グルコース値)、メタボリックシンドローム(即ち、シンドロームX)、PPAR関連障害、敗血症、血栓障害、II型糖尿病、癌、肥満症、膵臓炎、高血圧症、腎疾患、炎症、及びインポテンスを含むがこれらに限定されない、IRS−1及び/又はAKTに関連する疾患、障害又は状態を治療又は予防するための方法であって、その必要がある、被験体、好ましくは哺乳動物へ、本発明の化合物を含む組成物又は製剤の治療的又は予防的有効量を投与することを含む方法を包含する。
0008
本発明は、さらに、血中グルコース値を低下させるため、脂肪蓄積レベルを低下させるため、並びに心臓血管疾患、異常脂質血症、異常リポ蛋白血症、グルコース代謝の障害、メタボリックシンドローム(即ち、シンドロームX)、PPAR関連障害、敗血症、血栓障害、II型糖尿病、肥満症、膵臓炎、高血圧症、腎疾患、炎症、及びインポテンスを治療又は予防するための方法であって、このような治療又は予防の必要がある哺乳動物へ、式I〜VIIの化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグと薬学的に許容されるビヒクルとを含む組成物の治療的又は予防的有効量を投与することを含む方法を包含する。
0009
1態様において、本発明の化合物を含む組成物は、メタボリックシンドローム又はシンドロームXの治療又は予防、又は、肥満症、前糖尿病、及びII型糖尿病、並びに肥満症及び糖尿病の合併症を含むがこれらに限定されないこれらの症候群に関連する障害の治療における使用用である。肥満症の合併症としては、高コレステロール血症、高血圧症、及び冠状動脈性心疾患が挙げられるが、これらに限定されない。糖尿病の合併症としては、糖尿病性ニューロパシー、糖尿病性網膜症、勃起機能障害、及び腎疾患が挙げられるが、これらに限定されない。
0010
本明細書に記載されるように、本発明の方法に有用である組成物は、式I〜VIIの化合物を含む。
0011
1態様において、本発明は、式(I):
化学式1
0012
1態様において、アルキル基はメチルであり、nは1である。別の態様において、ハロゲンは塩素であり、mは1である。別の態様において、YはOである。別の態様において、ZはOである。
0013
別の態様において、R1はメチルであり;YはOであり;ZはOであり;nは1であり;mは0であり;好適にはR1はメタ位にある。
0014
別の態様において、Xは塩素であり;YはOであり;ZはOであり;nは0であり;mは1であり;好適には、Xはメタ位にある。別の態様において、哺乳動物はヒトである。別の態様において、有効量は約0.1mg/kg〜約100mg/kgである。好適には、投与は経口である。
0015
別の態様において、本発明は、式(II):
化学式2
0016
なお別の態様において、本発明は、式(III):
化学式3
0017
別の態様において、本発明は、式(IV):
化学式4
0018
別の態様において、本発明は、式(V):
化学式5
0019
別の態様において、本発明は、式(VI):
化学式6
0020
別の態様において、本発明は、式(VII):
化学式7
0021
本発明は、図面、詳細な説明、及び実施例を参照することによってより完全に理解され得、これらは、本発明の非限定的な態様を例示するように意図される。
0022
0023
態様の詳細な説明
本明細書において使用される場合、特に記載されない限り、語句「脂質代謝を変更すること」は、総血中脂質含有量、血中HDLコレステロール、血中LDLコレステロール、血中VLDLコレステロール、血中トリグリセリド、血中Lp(a)、血中アポA−I、血中アポE又は血中非エステル化脂肪酸を含むがこれらに限定されない、脂質代謝の少なくとも1局面の観察可能な(即ち、測定可能な)変化を示す。
0024
本明細書において使用される場合、特に記載されない限り、語句「グルコース代謝を変更すること」は、総血中グルコース含有量、血中インスリン、血中インスリン対血中グルコース比、インスリン感受性、又は酸素消費量を含むがこれらに限定されない、グルコース代謝の少なくとも1局面の観察可能な(即ち、測定可能な)変化を示す。
0025
本明細書において使用される場合、特に記載されない限り、語句「アルコキシ基」は、−O−アルキル基を意味し、ここで、アルキルは本明細書に定義される通りである。アルコキシ基は、非置換であり得るか、又は1若しくは2個の好適な置換基で置換され得る。好適には、アルキルオキシ基のアルキル鎖は、長さが1〜6炭素原子であり、本明細書において、例えば、「(C1−C6)アルコキシ」と呼ばれる。
0026
本明細書において使用される場合、特に記載されない限り、用語「アルキル」又は語句「アルキル基」は、飽和、一価、非分枝鎖又は分枝鎖炭化水素鎖を意味する。アルキル基の例としては、(C1−C6)アルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2−メチル−1−プロピル、2−メチル−2−プロピル、2−メチル−1−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−3−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロピル、2−メチル−1−ペンチル、3−メチル−1−ペンチル、4−メチル−1−ペンチル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、2,2−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−1−ブチル、2−エチル−1−ブチル、ブチル、イ� ��ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、及びヘキシル、並びにより長いアルキル基、例えば、ヘプチル、及びオクチルが挙げられるが、これらに限定されない。アルキル基は、非置換であり得るか、又は1若しくは2個の好適な置換基で置換され得る。
0027
本明細書において使用される場合、特に記載されない限り、語句「アルケニル基」は、その中に1つ又はそれ以上の二重結合を有する一価非分枝鎖又は分枝鎖炭化水素鎖を意味する。アルケニル基の二重結合は、別の不飽和基へ結合され得ないか又は結合され得る。好適なアルケニル基としては、(C2−C6)アルケニル基、例えば、ビニル、アリル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ブタジエニル、ペンタジエニル、ヘキサジエニル、2−エチルヘキセニル、2−プロピル−2−ブテニル、4−(2−メチル−3−ブテン)−ペンテニルが挙げられるが、これらに限定されない。アルケニル基は、非置換であり得るか、又は1若しくは2個の好適な置換基で置換され得る。
0028
本明細書において使用される場合、特に記載されない限り、語句「アルキニル基」は、その中に1つ又はそれ以上の三重結合を有する一価非分枝鎖又は分枝鎖炭化水素鎖を意味する。アルキニル基の三重結合は、別の不飽和基へ結合され得ないか又は結合され得る。好適なアルキニル基としては、(C2−C6)アルキニル基、例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、メチルプロピニル、4−メチル−1−ブチニル、4−プロピル−2−ペンチニル、及び4−ブチル−2−ヘキシニルが挙げられるが、これらに限定されない。アルキニル基は、非置換であり得るか、又は1若しくは2個の好適な置換基で置換され得る。
0029
本明細書において使用される場合、特に記載されない限り、語句「アリール基」は、炭素及び水素原子を含む単環式又は多環式芳香族基を意味する。好適なアリール基の例としては、フェニル、トリル、アンタセニル(anthacenyl)、フルオレニル、インデニル、アズレニル及びナフチル、並びにベンゾ縮合炭素環式部分、例えば、5,6,7,8−テトラヒドロナフチルが挙げられるが、これらに限定されない。アリール基は、非置換であり得るか、又は1若しくは2個の好適な置換基で置換され得る。好適には、アリール基は、単環式環であり、ここで、該環は6個の炭素原子を含み、本明細書において「(C6)アリール」と呼ばれる。
0030
本明細書において使用される場合、特に記載されない限り、語句「アリールオキシ基」は、−O−アリール基を意味し、ここでアリールは本明細書に定義される通りである。アリールオキシ基は、非置換であり得るか、又は1若しくは2個の好適な置換基で置換され得る。好適には、アリールオキシ基のアリール環は、単環式環であり、ここで、該環は6個の炭素原子を含み、本明細書において「(C6)アリールオキシ」と呼ばれる。
0031
本明細書において使用される場合、特に記載されない限り、用語「ベンジル」は、−CH2−フェニルを意味する。
0032
本明細書において使用される場合、特に記載されない限り、用語「カルボニル」基は、式−C(O)−の二価の基である。
0033
本明細書において使用される場合、特に記載されない限り、語句「本発明の化合物」は、集合的に、式I、II、III、IV、V、VI、及びVIIの化合物、並びにそれらの薬学的に許容される塩を意味する。本発明の化合物は、それらの化学構造及び/又は化学名によって、本明細書において同定される。化合物が化学構造及び化学名の両方によって参照され、その化学構造と化学名とが矛盾する場合、化学構造が、化合物の同一性を決定する。本発明の化合物は、1つ又はそれ以上のキラル中心及び/又は二重結合を含有し得、従って、立体異性体、例えば、二重結合異性体(即ち、幾何異性体)、エナンチオマー、又はジアステレオマーとして存在し得る。本発明によれば、本明細書に描かれた化学構造、及び従って本発明の化� ��物は、対応の化合物のエナンチオマー及び立体異性体の全て、即ち、立体的に純粋な形態(例えば、幾何的に純粋、エナンチオマー的に純粋、又はジアステレオマー的に純粋)並びにエナンチオマー及び立体異性体混合物の両方を包含する。エナンチオマー及び立体異性体混合物は、周知の方法、例えば、キラル相ガスクロマトグラフィー、キラル相高速液体クロマトグラフィー、キラル塩錯体としての化合物の結晶化、又はキラル溶媒中での化合物の結晶化によって、それらの成分であるエナンチオマー又は立体異性体へ分割され得る。エナンチオマー及び立体異性体はまた、周知の不斉合成法によって立体的に(stereomerically)又はエナンチオマー的に純粋な中間体、試薬、及び触媒から得られ得る。
0034
本明細書において使用される場合、特に記載されない限り、語句「シクロアルキル基」は、炭素及び水素原子含みかつ炭素−炭素多重結合を有さない単環式又は多環式飽和環を意味する。シクロアルキル基の例としては、(C3−C7)シクロアルキル基、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、及びシクロヘプチル、並びに飽和環式又は二環式テルペンが挙げられるが、これらに限定されない。シクロアルキル基は、非置換であり得るか、又は1若しくは2個の好適な置換基で置換され得る。好適には、シクロアルキル基は、単環式環又は二環式環である。
0035
本明細書において使用される場合、用語「糖尿病」及び語句「II型糖尿病」は、交換可能に使用され、非インスリン依存性糖尿病、尿崩症を含むが、これらに限定されず、インスリン抵抗性(即ち、適切にインスリンに応答する身体の能力の欠如)に関し、例えば、肥満症及び高コレステロールを含む関連合併症をしばしば伴う。
0036
本明細書において使用される場合、用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素を意味する。従って、用語「ハロ」及び「ハル(Hal)」の意味は、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードを包含する。
0037
被虐待児に話をする方法
本明細書において使用される場合、特に記載されない限り、語句「ヘテロアリール基」は、炭素原子、水素原子、並びに、窒素、酸素及び硫黄より独立して選択される1つ又はそれ以上のヘテロ原子、好適には1〜3個のヘテロ原子を含む単環式又は多環式芳香環を意味する。ヘテロアリール基の例示的な例としては、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジル、ピラジル、トリアジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チエニル、(1,2,3)−及び(1,2,4)−トリアゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、テトラゾリル、フリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、フリル、フィエニル(phienyl)、イソオキサゾリル、及びオキサゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロアリール基は、非置換であり得るか、又 は1若しくは2個の好適な置換基で置換され得る。好適には、ヘテロアリール基は、単環式環であり、ここで、該環は2〜5個の炭素原子及び1〜3個のヘテロ原子を含み、「(C2−C5)ヘテロアリール」と本明細書において呼ばれる。
0038
本明細書において使用される場合、特に記載されない限り、語句「ヘテロシクロアルキル基」は、炭素及び水素原子、並びに、窒素、酸素及び硫黄より選択される少なくとも1つのヘテロ原子、好適には1〜3個のヘテロ原子を含み、不飽和を有さない、単環式又は多環式環を意味する。ヘテロシクロアルキル基の例としては、ピロリジニル、ピロリジノ、ピペリジニル、ピペリジノ、ピペラジニル、ピペラジノ、モルホリニル、モルホリノ、チオモルホリニル、チオモルホリノ、及びピラニルが挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロシクロアルキル基は、非置換であり得るか、又は1若しくは2個の好適な置換基で置換され得る。好適には、ヘテロシクロアルキル基は、単環式又は二環式環、より好適には、単環式環であり、こ� ��で、該環は3〜6個の炭素原子及び1〜3個のヘテロ原子を含み、(C1−C6)ヘテロシクロアルキルと本明細書において呼ばれる。
0039
本明細書において使用される場合、特に記載されない限り、語句「ヘテロ環式基」又は「ヘテロ環式環」は、ヘテロシクロアルキル基又はヘテロアリール基を意味する。
0040
本明細書において使用される場合、特に記載されない限り、語句「ヒドロカルビル基」は、1又は2個の好適な置換基で場合により置換された、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル及び(C2−C8)アルキニルより選択される一価基を意味する。好適には、ヒドロカルビル基の炭化水素鎖は、長さが1〜6個の炭素原子であり、「(C1−C6)ヒドロカルビル」と本明細書において呼ばれる。
0041
哺乳動物へ(例えば、獣医学的用途について動物へ、又は臨床用途についてヒトヘ)投与される場合、本発明の化合物は単離された形態で投与され得る。本明細書において使用される場合、「単離された」は、本発明の化合物が、(a)天然源、例えば、植物又は細胞、例えば、細菌培養物、又は(b)合成有機化学反応混合物のいずれかの他の成分から、好適には、従来の技術によって、分離され、本発明の化合物が精製されることを意味する。本明細書において使用される場合、「精製された」は、単離された場合、単離物が、単離物の質量(wt%)で、本発明の化合物を少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、又は少なくとも99%含有することを意味する。
0042
本明細書において使用される場合、特に記載されない限り、語句「IRS−1関連疾患、状態、又は障害」は、IRS−1の変更された発現及び/又は活性に関連する、ヒトを含む哺乳動物における任意の障害を指し、これらとしては、心臓血管疾患、異常脂質血症、脂肪蓄積レベルを低下させること、異常リポ蛋白血症、グルコース代謝の障害(即ち、上昇した血中グルコース値)、メタボリックシンドローム(即ち、シンドロームX)、PPAR関連障害、敗血症、血栓障害、糖尿病、肥満症、膵臓炎、高血圧症、腎疾患、炎症、及びインポテンスが挙げられるが、これらに限定されない。
0043
本明細書において使用される場合、特に記載されない限り、語句「AKT関連疾患、状態、又は障害」は、AKTの変更された発現及び/又は活性に関連する、ヒトを含む哺乳動物における任意の障害を指し、これらとしては、心臓血管疾患、異常脂質血症、脂肪蓄積レベルを低下させること、異常リポ蛋白血症、グルコース代謝の障害(即ち、上昇した血中グルコース値)、メタボリックシンドローム(即ち、シンドロームX)、PPAR関連障害、敗血症、血栓障害、糖尿病、肥満症、膵臓炎、高血圧症、腎疾患、炎症、及びインポテンスが挙げられるが、これらに限定されない。
0044
本明細書において使用される場合、特に記載されない限り、用語「調節する」は、タンパク質、例えば酵素、例えばIRS−1及び/又はAKT、の発現及び/又は活性の変化を指す。例示的な態様において、「調節する」は、タンパク質、例えば酵素、例えばIRS−1及び/又はAKT、の発現及び/又は活性を増加又は減少させることを指す。
0045
本明細書において使用される場合、特に記載されない限り、語句「薬学的に許容される塩」としては、本組成物中において使用される化合物中に存在し得る酸性又は塩基性基の塩が挙げられるが、これらに限定されない。性質が塩基性である本組成物中に含まれる化合物は、種々の無機及び有機酸と共に広範囲の塩を形成することができる。このような塩基性化合物の薬学的に許容される酸付加塩を作製するために使用され得る酸は、非毒性酸付加塩、即ち、薬理学的に許容されるアニオンを含有する塩を形成するものであり、これらとしては、硫酸、クエン酸、マレイン酸、酢酸、シュウ酸、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、サリチ� ��酸塩、クエン酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、酒石酸水素塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩(gentisinate)、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルカロン酸塩(glucaronate)、糖酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩及びパモ酸塩(即ち、1,1'−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエート))が挙げられるが、これらに限定されない。アミノ部分を含む本組成物中に含まれる化合物は、上述の酸に加えて、種々のアミノ酸と共に薬学的に許容される塩を形成し得る。性質が酸性である、本組成物中に含まれる、化合物は、種々の薬理学的に� ��容されるカチオンと共に塩基塩を形成することができる。このような塩の例としては、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、特に、カルシウム、マグネシウム、ナトリウムリチウム、亜鉛、カリウム、及び鉄塩が挙げられるが、これらに限定されない。
0046
本明細書において使用される場合、特に記載されない限り、用語「フェニル」は、−C6H5を意味する。フェニル基は、非置換であり得るか、又は1若しくは2個の好適な置換基で置換され得る。
0047
本明細書において使用される場合、特に記載されない限り、用語「前糖尿病」は、糖尿病の症状を指し、ここで、哺乳動物は、上昇したグルコース値を示すが、II型糖尿病に関連する障害の完全な発症は、未だ現れていない。
0048
本明細書において使用される場合、特に記載されない限り、語句「好適な置換基」は、本発明の化合物又はそれらを作製するために有用な任意の中間体の合成的又は薬学的有用性を無効にしない基を意味する。好適な置換基の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:(C1−C8)アルキル、(C1−C8)アルケニル、(C1−C8)アルキニル、(C6)アリール、(C3−C5)ヘテロアリール、(C3−C7)シクロアルキル、(C1−C8)アルコキシ、(C6)アリールオキシ、−CN、−OH、オキソ、ハロ、−NO2、−CO2H、−NH2、−NH((C1−C8)アルキ� ��)、−N((C1−C8)アルキル)2、−NH((C6)アリール)、−N((C6)アリール)2、−CHO、−CO((C1−C8)アルキル)、−CO((C6)アリール)、−CO2((C1−C8)アルキル)、及び−CO2((C6)アリール)。当業者は、本発明の化合物の安定性並びに薬理学的及び合成的活性に基づいて、好適な置換基を容易に選択し得る。
0049
本明細書において使用される場合、特に記載されない限り、本発明の組成物の、語句「治療的有効量」は、本発明の化合物の治療有効性によって測定され、ここで、障害の少なくとも1つの悪影響が改善又は軽減される。1態様において、本発明の組成物の、語句「治療的有効量」は、このタンパク質のアップ及びダウンレギュレーションを含むがこれらに限定されない、IRS−1及び/又はAKTの発現及び/又は活性を変更する本発明の化合物の治療有効性によって測定される。少なくとも1つの本発明の化合物の少なくとも1つの治療的有効量は、IRS−1及び/又はAKTの発現及び/又は活性をアップレギュレートする。
0050
本発明の化合物
本明細書に示されるように、本発明は、IRS−1及び/又はAKTを活性化する方法、並びにIRS−1及び/又はAKT関連疾患、状態、又は障害、例えば、心臓血管疾患、異常脂質血症、異常リポ蛋白血症、グルコースの障害、シンドロームX、PPAR関連障害、敗血症、血栓障害、II型糖尿病、肥満症、膵臓炎、高血圧症、腎疾患、炎症、及びインポテンスを治療又は予防するための方法であって、このような活性化、治療又は予防の必要がある哺乳動物へ、式I〜VIIの化合物、又はそれらの薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグと、薬学的に許容されるビヒクルとを含む組成物の治療的又は予防的有効量を投与することを含む方法を包含する。
0051
本発明は、式VII:
R8は、アルキル又は水素であり;
Xは、O、S、NH、又はN−アルキルであり;
Zは、O又はSである。
化学式8
0052
1つの例示的な態様において、R8は、アルキル、例えばメチルである。
0053
別の例示的な態様において、R8は水素である。
0054
別の例示的な態様において、Xは酸素である。
0055
別の例示的な態様において、Zは酸素である。
0056
別の例示的な態様において、R2、R3、R4、R5、及びR6の少なくとも1つは、アルキル、例えばメチルである。
0057
別の例示的な態様において、R2、R3、R4、R5、及びR6の少なくとも1つは、ハロゲン、例えばクロロである。
0058
別の例示的な態様において、R2、R3、R4、R5、及びR6の少なくとも1つは、−CNである。
0059
別の例示的な態様において、R2、R3、R4、R5、及びR6の少なくとも1つは、−OHである。
0060
別の例示的な態様において、R2、R3、R4、R5、及びR6の少なくとも1つは、−NO2である。
0061
別の例示的な態様において、R2、R3、R4、R5、及びR6の少なくとも1つは、−CF3である。
0062
別の例示的な態様において、R2、R3、R4、R5、及びR6の少なくとも1つは、−CO2Hである。
0063
別の例示的な態様において、R2、R3、R4、R5、及びR6の少なくとも1つは、−NH2である。
0064
別の例示的な態様において、R2、R3、R4、R5、及びR6の少なくとも1つは、−アルコキシである。
0065
別の例示的な態様において、R2はアルキル、例えばメチルであり、R1、R3、R4、R5、及びR6の各々は水素であり、X及びZはOである。
0066
別の例示的な態様において、R2はハロゲン、例えばクロロであり、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、及びR8の各々は水素であり、X及びZはOである。
0067
別の例示的な態様において、R3はアルキル、例えばメチルであり、R1、R2、R4、R5、R6、R7、及びR8の各々は水素であり、X及びZはOである。
0068
別の例示的な態様において、R3はハロゲン、例えばクロロであり、R1、R2、R4、R5、R6、R7、及びR8の各々は水素であり、X及びZはOである。
0069
別の例示的な態様において、R4はアルキル、例えばメチルであり、R1、R2、R3、R5、R6、R7、及びR8の各々は水素であり、X及びZはOである。
0070
別の例示的な態様において、R4はハロゲン、例えばクロロであり、R1、R2、R3、R5、R6、R7、及びR8の各々は水素であり、X及びZはOである。
0071
別の例示的な態様において、R5は−CF3であり、R1、R2、R3、R4、R6、R7、及びR8の各々は水素であり、X及びZはOである。
0072
別の例示的な態様において、R5は−NH2であり、R1、R2、R3、R4、R6、R7、及びR8の各々は水素であり、X及びZはOである。
0073
別の例示的な態様において、R6は−CF3であり、R1、R2、R3、R4、R5、R7、及びR8の各々は水素であり、X及びZはOである。
0074
別の例示的な態様において、R6は−NH2であり、R1、R2、R3、R4、R5、R7、及びR8の各々は水素であり、X及びZはOである。
0075
式I〜VIIによって包含され、本発明の方法において有用である例示的な例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
化学式9
0076
化学式10
0077
化学式11
0078
化学式12
0079
上記の化合物は、例示的に過ぎず、特許請求の範囲をそれらの化合物のみに限定するようには意図されないことが理解される。
0080
本発明の化合物は、例えば米国特許第3,922,345号に記載される、当業者に公知の有機化学技術によって合成され得る。
0081
本発明の化合物の治療的使用
本発明は、インビトロ及び/又はインビボにおいてIRS−1及び/又はAKTの発現及び/又は活性を調節することにおいて有効である化合物を包含する。少なくとも1つの本発明の化合物は、IRS−1及び/又はAKTを調節することにおいて有効である。理論によって限定されないが、IRS−1及び/又はAKT発現及び/又は活性の調節は、異常な血中グルコース値、体重増加、又は脂肪蓄積レベルと関連する疾患、障害、又は状態を治療又は予防することにおいて有用であると考えられる。本発明はまた、IRS−1及び/又はAKT活性を調節する方法であって、このような治療又は予防の必要がある、被験体、例えばヒトを含む哺乳動物へ、化合物又は化合物を含む組成物の治療的又は予防的有効量を投与し、IRS� �1及び/又はAKTの活性を調節することを含む方法を包含する。
頭のしこりトップ
0082
1態様において、本発明の化合物と薬学的に許容されるビヒクルとを含む本発明の組成物は、心臓血管疾患、異常脂質血症、異常リポ蛋白血症、グルコース代謝の障害、メタボリックシンドローム(即ち、シンドロームX)、PPAR関連障害、敗血症、血栓障害、II型糖尿病、肥満症、膵臓炎、高血圧症、腎疾患、炎症、又はインポテンスを有する、哺乳動物、例えばヒトへ投与される。
0083
1態様において、「治療」又は「治療すること」は、IRS−1及び/又はAKTに関連する、疾患又は障害、又はそれらの少なくとも1つの認識可能な症状の改善を指す。別の態様において、「治療」又は「治療すること」は、哺乳動物によって必ずしも認識可能ではない、少なくとも1つの測定可能な物理的パラメータの改善を指す。なお別の態様において、「治療」又は「治療すること」は、物理的に(例えば、認識可能な症状の安定化)、生理学的に(例えば、物理的パラメータの安定化)、又は両方で、疾患、障害、又は状態の進行を阻害することを指す。なお別の態様において、「治療」又は「治療すること」は、疾患、障害、又は状態の発症を遅延させることを指す。
0084
ある態様において、本発明の組成物は、哺乳動物、例えばヒトへ、このような疾患に対する予防手段として投与される。本明細書において使用される場合、「予防」又は「予防すること」は、所定の疾患又は障害を得る危険性の減少を指す。1態様において、本発明の組成物は、心臓血管疾患、異常脂質血症、異常リポ蛋白血症、グルコース代謝の障害、メタボリックシンドローム(即ち、シンドロームX)、PPAR関連障害、敗血症、血栓障害、II型糖尿病、肥満症、膵臓炎、高血圧症、腎疾患、炎症、又はインポテンスに対する遺伝的素因を有する、哺乳動物、例えばヒトへ、予防手段として投与される。このような遺伝的素因の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:アポリポ蛋白Eのε4対立遺伝子;リポ� �白リパーゼ遺伝子コーディング領域又はプロモーターにおける機能の喪失又はヌル突然変異(例えば、置換D9N及びN291Sを生じるコーディング領域における突然変異;心臓血管疾患、異常脂質血症及び異常リポ蛋白血症の危険性を増加させるリポ蛋白リパーゼ遺伝子の遺伝子突然変異の概観については、例えば、Hayden and Ma, Mol. Cell Biochem., 1992, 113, 171-176を参照のこと);並びに家族性混合型高脂血症及び家族性高コレステロール血症。
0085
別の例示的な態様において、本発明の組成物は、心臓血管疾患、異常脂質血症、異常リポ蛋白血症、グルコース代謝の障害、メタボリックシンドローム(即ち、シンドロームX)、PPAR関連障害、敗血症、血栓障害、II型糖尿病、肥満症、膵臓炎、高血圧症、腎疾患、炎症、又はインポテンスに対する非遺伝的素因を有する被験体へ、予防手段として投与される。このような非遺伝的素因の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:心臓バイパス手術及び経皮経管冠状動脈形成術、これらは、しばしば、アテローム性動脈硬化症の加速された形態である、再狭窄へ至る;女性における糖尿病、これは、しばしば、多嚢胞卵巣疾患に至る;並びに心臓血管疾患、これは、しばしば、インポテンスへ至る。従って、本発� ��の組成物は、同時に別のものを治療しながらのある疾患又は障害の予防のために使用され得る(例えば、糖尿病を治療しながらの多嚢胞卵巣疾患の予防;心臓血管疾患を治療しながらのインポテンスの予防)。1つの特定の態様において、本発明の方法は、喘息を治療又は予防することを包含しない。
0086
治療又は予防についての心臓血管疾患
本発明は、本発明の化合物と薬学的に許容されるビヒクルとを含む組成物の治療的有効量を哺乳動物へ投与することを含む、心臓血管疾患の治療又は予防のための方法を提供する。ある態様において、心臓血管疾患は、異常な/変更されたIRS−1及び/又はAKT活性及び/又は発現に関連する。本明細書において使用される場合、語句「心臓血管疾患」は、心臓及び循環系の疾患を指す。これらの疾患は、しばしば、異常リポ蛋白血症及び/又は異常脂質血症に関連する。本発明の組成物が予防又は治療のために有用である心臓血管疾患としては、動脈硬化症;アテローム性動脈硬化症;脳卒中;虚血;内皮機能不全、特に、血管弾性に影響を与えるそれらの機能不全;末梢血管疾患;冠状動脈性心疾患;心筋梗塞(myocardial infarcation);脳梗塞;及び再狭窄が挙げられるが、これらに限定されない。
0087
治療又は予防についての異常脂質血症
本発明は、本発明の化合物と薬学的に許容されるビヒクルとを含む組成物の治療的有効量を哺乳動物へ投与することを含む、異常脂質血症の治療又は予防のための方法を提供する。ある態様において、異常脂質血症は、異常な/変更されたIRS−1及び/又はAKT活性及び/又は発現に関連する。本明細書において使用される場合、用語「異常脂質血症」は、異常レベルの循環脂質に至るか又はこれによって症状発現される障害を指す。血液中の脂質のレベルが高過ぎる限りにおいて、本発明の組成物が、正常レベルを回復するために哺乳動物へ投与される。脂質の正常レベルは、当業者に公知の医学論文において報告される。例えば、異常脂質血症を診断するために使用されるLDL、HDL、遊離トリグリセリド及び他のパラメ� �タの推奨される血中レベルは、American Heart Associationのウェブサイト及びNational Heart, Lung and Blood InstituteのNational Cholesterol
Education Programのそれにおいて見られ得る。現在のところ、血中のHDLコレステロールの推奨レベルは35mg/dL超であり;血中のLDLコレステロールの推奨レベルは130mg/dL未満であり;血中の推奨されるLDL:HDLコレステロール比は、5:1未満、理想的には3.5:1であり;血中の遊離トリグリセリドの推奨レベルは200mg/dL未満である。
0088
本発明の組成物が予防又は治療のために有用である異常脂質血症としては、高脂血症及び高密度リポ蛋白(HDL)コレステロールの低血中レベルが挙げられるが、これらに限定されない。ある態様において、本発明の化合物による予防又は治療のための高脂血症は、家族性高コレステロール血症;家族性混合型高脂血症;リポ蛋白リパーゼ突然変異から生じる低下または不足を含む、低下したまたは不足したリポ蛋白リパーゼレベル又は活性;高トリグリセリド血症;高コレステロール血症;高血中レベルのケトン体(例えば、β−OH酪酸);高血中レベルのLp(a)コレステロール;高血中レベルの低密度リポ蛋白(LDL)コレステロール;高血中レベルの超低密度リポ蛋白(VLDL)コレステロール、及び高血中レベルの非� �ステル化脂肪酸である。
0089
本発明は、さらに、哺乳動物における脂質代謝を変更するため、例えば、哺乳動物の血液中のLDLを減少させるため、哺乳動物の血液中の遊離トリグリセリドを減少させるため、哺乳動物の血液中のLDLに対するHDLの比率を増加させるため、及び鹸化及び/又は非鹸化脂肪酸合成を阻害するための方法であって、脂質代謝を変更するに有効な量の本発明の化合物を含む組成物を哺乳動物へ投与することを含む方法を提供する。
0090
治療又は予防についての異常リポ蛋白血症
本発明は、本発明の化合物と薬学的に許容されるビヒクルとを含む組成物の治療的有効量を哺乳動物へ投与することを含む、異常リポ蛋白血症の治療又は予防のための方法を提供する。本明細書において使用される場合、用語「異常リポ蛋白血症」は、異常レベルの循環リポ蛋白に至るか又はこれによって症状発現される障害を指す。血液中のリポ蛋白のレベルが高過ぎる限りにおいて、本発明の組成物が、正常レベルを回復するために哺乳動物へ投与される。逆に、血液中のリポ蛋白のレベルが低過ぎる限りにおいて、本発明の組成物が、正常レベルを回復するために哺乳動物へ投与される。リポ蛋白の正常レベルは、当業者に公知の医学論文において報告される。
0091
本発明の組成物が予防又は治療のために有用である異常リポ蛋白血症としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:高血中レベルのLDL;高血中レベルのアポリポ蛋白B(アポB);高血中レベルのLp(a);高血中レベルのアポ(a);高血中レベルのVLDL;低血中レベルのHDL;リポ蛋白リパーゼ突然変異から生じる低下および不足を含む、低下したまたは不足したリポ蛋白リパーゼレベル又は活性;高αリポ蛋白血症;糖尿病に関連するリポ蛋白異常;II型糖尿病、肥満症に関連するリポ蛋白異常;アルツハイマー病に関連するリポ蛋白異常;並びに家族性混合型高脂血症。
0092
本発明は、さらに、哺乳動物の血液中のアポC−IIレベルを低下させるため;哺乳動物の血液中のアポC−IIIレベルを低下させるため;哺乳動物の血液中の、アポA−I、アポA−II、アポA−IV及びアポEを含むがこれらに限定されない、HDL関連タンパク質のレベルを上昇させるため;哺乳動物の血液中のアポEのレベルを上昇させるため、並びに哺乳動物の血液からのトリグリセリドのクリアランスを促進するための方法であって、該低下、上昇又は促進をそれぞれもたらすに有効な量の本発明の化合物を含む組成物を哺乳動物へ投与することを含む方法を提供する。
0093
治療又は予防についてのグルコース代謝障害
本発明は、本発明の化合物と薬学的に許容されるビヒクルとを含む組成物の治療的有効量を哺乳動物へ投与することを含む、グルコース代謝障害の治療又は予防のための方法を提供する。本明細書において使用される場合、語句「グルコース代謝障害」は、異常なグルコース貯蔵及び/又は利用に至るか又はこれによって症状発現される障害を指す。グルコース代謝の指標(即ち、血中インスリン、血中グルコース)が高過ぎる限りにおいて、本発明の組成物が、正常レベルを回復するために哺乳動物へ投与される。逆に、グルコース代謝の指標が低過ぎる限りにおいて、本発明の組成物が、正常レベルを回復するために哺乳動物へ投与される。グルコース代謝の正常な指標は、当業者に公知の医学論文において報告される。ある態様に� �いて、グルコース代謝障害は、異常な/変更されたIRS−1及び/又はAKT活性及び/又は発現に関連する。
0094
本発明の組成物が予防又は治療のために有用であるグルコース代謝障害としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:耐糖能障害;インスリン抵抗性;インスリン抵抗性関連乳癌、結腸癌又は前立腺癌;非インスリン依存性糖尿病(NIDDM)、インスリン依存性糖尿病(IDDM)、妊娠糖尿病(GDM)、及び若年発症成人型糖尿病(MODY)を含むがこれらに限定されない、糖尿病;膵臓炎;高血圧症;並びに高レベルの血中インスリン及び/又はグルコース。
0095
本発明は、さらに、哺乳動物においてグルコース代謝を変更するための、例えば、哺乳動物のインスリン感受性及び/又は酸素消費量を増加させるための方法であって、グルコース代謝を変更するに有効な量の本発明の化合物を含む組成物を哺乳動物へ投与することを含む方法を提供する。
0096
治療又は予防についてのPPAR関連障害
本発明は、本発明の化合物と薬学的に許容されるビヒクルとを含む組成物の治療的有効量を哺乳動物へ投与することを含む、ペルオキシソーム増殖活性化受容体(「PPAR」)関連障害の治療又は予防のための方法を提供する。ある態様において、PPAR関連障害は、異常な/変更されたIRS−1及び/又はAKT活性及び/又は発現に関連する。本明細書において使用される場合、語句「PPAR関連障害の治療又は予防」は、以下の治療又は予防を包含する:関節リウマチ;多発性硬化症;乾癬;炎症性腸疾患;乳癌、結腸癌又は前立腺癌;低レベルの血中HDL;低レベルの血液、リンパ液及び/又は脳脊髄液中のアポE;低い血液、リンパ液及び/又は脳脊髄液レベルのアポA−I;高レベルの血中VLDL;高レベルの� �中LDL;高レベルの血中トリグリセリド;高レベルの血中アポB;高レベルの血中アポC−III、並びにリポ蛋白リパーゼ活性に対するヘパリン後(post-heparin)肝性リパーゼの低下した比率。HDLは、リンパ液及び/又は脳脊髄液中において上昇され得る。
0097
治療又は予防についての腎疾患
本発明は、本発明の化合物と薬学的に許容されるビヒクルとを含む組成物の治療的有効量を哺乳動物へ投与することを含む、腎疾患の治療又は予防のための方法を提供する。ある態様において、腎疾患は、異常な/変更されたIRS−1及び/又はAKT活性及び/又は発現に関連する。本発明の化合物によって治療され得る腎疾患としては、以下が挙げられる:糸球体疾患(急性及び慢性糸球体腎炎、急速進行性糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、巣状増殖性糸球体腎炎、全身性疾患に関連する糸球体病変、例えば、全身性エリテマトーデス、グッドパスチャー症候群、多発性骨髄腫、糖尿病、新形成、鎌状赤血球症、及び慢性炎症性疾患を含むが、これらに限定されない)、尿細管疾患(急性尿細管壊死及び急性腎不全、多発性嚢胞腎� �患 髄質海綿腎、髄質嚢胞性疾患、腎性糖尿病、及び尿細管性アシドーシスを含むが、これらに限定されない)、尿細管間質疾患(腎盂腎炎、薬物及び毒素誘発される尿細管間質性腎炎、高カルシウム血症性腎症、及び低カリウム性腎症を含むが、これらに限定されない)、急性及び急速進行性腎不全、慢性腎不全、腎石症、又は腫瘍(腎細胞癌及び腎芽細胞腫を含むが、これらに限定されない)。1態様において、本発明の化合物によって治療される腎疾患は、血管疾患であり、これらとしては、高血圧症、腎硬化症、細血管障害性溶血性貧血、アテローム塞栓性腎疾患、びまん性皮質壊死、及び腎梗塞が挙げられるが、これらに限定されない。
0098
メタボリックシンドロームの治療又は予防
本明細書において使用される場合、語句「シンドロームX又はメタボリックシンドロームの治療又は予防」は、耐糖能障害、高血圧症、並びに異常脂質血症及び/又は異常リポ蛋白血症を含むがこれらに限定されない、メタボリックシンドロームに関連する症状の治療又は予防を包含する。ある態様において、メタボリックシンドロームは、異常な/変更されたIRS−1及び/又はAKT活性及び/又は発現に関連する。
0099
メタボリックシンドロームは、ヒトにおける代謝性リスク因子の群によって特徴付けられる。本発明の化合物を含む組成物を投与することによって治療又は予防され得るメタボリックシンドロームに関連するリスク因子としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:中心性肥満症(即ち、腹の中及び周囲における過剰な脂肪組織);アテローム発生性異常脂質血症(動脈壁におけるプラーク蓄積を促進する、血中脂肪障害−主に高いトリグリセリド及び低いHDLコレステロール);上昇した血圧(130/85mmHg以上);インスリン抵抗性又は耐糖能異常(身体がインスリン又は血糖を適切に使用することができない);血栓性状態(例えば、血液中の高いフィブリノーゲン又はプラスミノゲン活性化因子阻害剤[−1� ��);及び炎症性状態(例えば、血液中の上昇した高感度C反応性タンパク質)。
0100
この症候群の根本原因は、過剰体重/肥満症、運動不足及び遺伝的因子である。メタボリックシンドロームを有する人々は、冠状動脈性心疾患、動脈壁におけるプラーク蓄積に関連する他の疾患(例えば、脳卒中及び末梢血管疾患)及び2型糖尿病の増加した危険性にある。
0101
従って、本発明の化合物を含む組成物は、メタボリックシンドローム並びにメタボリックシンドロームに関連する障害及びリスク因子を治療又は予防することにおいて有用である。
0102
糖尿病の治療又は予防
本明細書において使用される場合、語句「糖尿病の治療又は予防」は、網膜症(即ち、盲);足底潰瘍、壊疽、及び切断術へ至る、ニューロパシー(即ち、神経損傷);透析へ至る、腎臓損傷;並びに心臓血管疾患を含むがこれらに限定されない、II型糖尿病に関連する合併症の治療又は予防を包含する。ある態様において、II型糖尿病は、異常な/変更されたIRS−1及び/又はAKT活性及び/又は発現に関連する。
0103
II型糖尿病は、肥満症及び加齢に関連する。それは、生活様式依存性疾患であり、強い遺伝的要素を有する(双生児における一致は80〜90%である。)。問題は、インスリン産生にあまりないようであり、しかし、インスリンがその標的細胞に到達した際に、それが正しく機能しないことにあるようである。大抵のII型糖尿病患者は、最初、高インスリンレベルを高血糖と共に有する。しかし、糖は、インスリンを放出するよう膵臓にシグナル伝達するので、II型糖尿病患者は、最終的に、そのシグナルに耐性となり、膵内分泌部は、すぐに、十分なインスリンを作製しなくなる。これらの人々は、最後にはインスリンで疾患を管理するようになり、それに耐性であるために遥かにより高い用量を必要とする。
0104
人が大量の糖を摂取すると、糖は、インスリンを放出するよう膵臓を刺激する。インスリンについての標的は、筋肉、脂肪、及び肝臓細胞である。これらの細胞は、細胞膜の外面上にインスリン受容体部位を有する。大抵の人について、インスリンが受容体に結合すると、一連の事象が始まり、これによって、糖が血液から細胞の内側へ輸送される。II型糖尿病患者において、インスリンが細胞膜上に存在している場合でさえ、プロセスは機能しない。グルコースは、細胞中へ取り込まれず、血流中に残る。
0105
肝臓はグルコース産生を担い、インスリンは、産生の調節因子である。高血糖含有量は、膵臓にインスリンを放出させ、インスリンは、糖を産生することを停止するよう肝臓にシグナル伝達する。しかし、糖尿病患者において、そのシグナルに対する耐性が存在し、肝臓はグルコースを産生し続ける。高血糖症は、グルコース毒性へ至る。
0106
糖尿病の疾患過程であるのは、高血糖ではなく、高血糖からの合併症である。医師が直面する主な問題は、高血糖を有するいくらかの人が気分が良いと感じることであり;無症候性である疾患を治療することは困難であり、何故ならば、大抵の人は、気分が悪いと感じないことのために丸剤を服用したくないためである。従って、本発明の化合物を含む組成物は、II型糖尿病又はII型糖尿病から生じる合併症並びにメタボリックシンドロームに関連する障害及びリスク因子を治療又は予防することにおいて有用である。糖尿病の合併症としては、糖尿病性ニューロパシー、糖尿病性網膜症、勃起機能障害、及び腎疾患が挙げられるが、これらに限定されず、本発明の化合物は、これらの合併症を治療又は予防することにおいて有用であ� ��。
0107
人どのようにデング熱を得るのでしょうか?
肥満症の治療又は予防
本明細書において使用される場合、語句「肥満症の治療又は予防」は、肥満症に関連する合併症の治療又は予防を包含する。肥満症の合併症としては、高コレステロール血症、高血圧症、異常脂質血症(例えば、高い総コレステロール又は高レベルのトリグリセリド)、2型糖尿病、冠状動脈性心疾患、脳卒中、胆嚢疾患、変形性関節症、睡眠時無呼吸及び呼吸障害、並びにいくつかの癌(子宮内膜癌、乳癌、及び結腸癌)が挙げられるが、これらに限定されない。ある態様において、肥満症は、異常な/変更されたIRS−1及び/又はAKT活性及び/又は発現に関連する。
0108
治療又は予防についての他の疾患
本発明は、本発明の化合物と薬学的に許容されるビヒクルとを含む組成物の治療的有効量を哺乳動物へ投与することを含む、敗血症、血栓障害、膵臓炎、高血圧症、炎症、及びインポテンスの治療又は予防のための方法を提供する。ある態様において、これらの障害は、異常な/変更されたIRS−1及び/又はAKT活性及び/又は発現に関連する。
0109
本明細書において使用される場合、語句「敗血症の治療又は予防」は、敗血症性ショックの治療又は予防を包含する。
0110
本明細書において使用される場合、語句「血栓障害の治療又は予防」は、高血中レベルのフィブリノーゲンの治療又は予防並びにフィブリン溶解の促進を包含する。
0111
肥満症を治療又は予防することに加えて、本発明の組成物は、個人の体重減少を促進するために個人へ投与され得る。
0112
治療的/予防的投与及び組成物
本発明の化合物は、有利なことに、獣医学及び人間医学において有用である。上述したように、本発明の化合物は、心臓血管疾患、異常脂質血症、異常リポ蛋白血症、グルコース代謝障害、メタボリックシンドローム(即ち、シンドロームX)、PPAR関連障害、敗血症、血栓障害、II型糖尿病、肥満症、膵臓炎、高血圧症、腎疾患、炎症、及びインポテンスの治療又は予防において使用され得る。ある態様において、被験体は、異常な/変更されたIRS−1及び/又はAKT活性及び/又は発現を有するが、IRS−1及び/又はAKT関連疾患に関連する生理学的症状を示しも症状発現しもしない。
0113
本発明は、本発明の化合物を含む組成物の治療的有効量を哺乳動物へ投与することによる治療及び予防の方法を提供する。哺乳動物としては、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ネコ、イヌ、マウス、ラット、ウサギ、モルモットなどが挙げられるが、これらに限定されない。ある態様において、哺乳動物はヒトである。
0114
1つ又はそれ以上の本発明の化合物を含む本組成物は、経口投与され得る。本発明の化合物はまた、任意の他の都合の良い経路によって、例えば、注入又はボーラス注射によって、上皮又は粘膜皮膚層(例えば、口腔粘膜、直腸及び腸粘膜など)を介しての吸収によって投与され得、別の生物学的に活性な薬剤と共に投与され得る。投与は、全身的又は局所的であり得る。種々の送達系、例えば、リポソーム、マイクロ粒子、マイクロカプセル、カプセルなどの中におけるカプセル化が公知であり、本発明の化合物を投与するために使用され得る。ある態様において、1またはそれ以上の本発明の化合物が哺乳動物へ投与される。投与方法としては、皮内、筋内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻腔内、硬膜外、経口、舌下、鼻腔内、脳内、腟内� ��経皮、経直腸、吸入、又は、特に耳、鼻、眼、若しくは皮膚へ、局所的にが挙げられるが、これらに限定されない。所望の投与様式は医師の裁量に任せられ、一部分において、医学的状態の部位に依存する。大抵の場合、投与は、血流中への本発明の化合物の放出を生じさせる。
0115
特定の態様において、1つ又はそれ以上の本発明の化合物を、治療の必要がある領域へ局所投与することが望ましい場合がある。これは、限定的ではなく、例えば、手術の間の局所注入によって、例えば術後の創傷包帯と併用しての局所適用、注射によって、カテーテルによって、坐剤によって、又はインプラントによって達成され得、該インプラントは、多孔性、非多孔性、又はゼラチン様材料、例えば、膜、例えば、シラスティック(sialastic)膜、又は繊維のものである。1態様において、投与は、アテローム硬化性プラーク組織の部位(又は元の部位)での直接注射によってであり得る。
0116
経肺投与もまた、例えば、吸入器若しくはネブライザー、及びエアロゾル化剤を含む製剤の使用によって、又はフルオロカーボン若しくは合成肺サーファクタント中での灌流によって使用され得る。ある態様において、本発明の化合物は、伝統的な結合剤及びビヒクル、例えばトリグリセリドと共に、坐剤として製剤化され得る。
0117
別の態様において、本発明の化合物は、小胞、特にリポソームで送達され得る(Langer, Science, 1990, 249,1527-1533;Treat et al., Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer, Lopez-Berestein and Fidler (eds.), Liss, New York, pp. 353-365 (1989);Lopez-Berestein, 同書, pp. 317-327を参照のこと;一般的に同書を参照のこと)。
0118
なお別の態様において、本発明の化合物は、制御放出系で送達され得る。1態様において、ポンプが使用され得る(Langer, 上記参照;Sefton, CRC Crit. Ref. Biomed. Eng.,
1987, 14, 201;Buchwald et al., Surgery, 1980, 88, 507 Saudek et al., N. Engl. J. Med., 1989, 321, 574を参照のこと)。別の態様において、ポリマー材料が使用され得る(Medical Applications of Controlled Release, Langer and Wise (eds.), CRC Pres., Boca Raton, Fla. (1974);Controlled Drug Bioavailability, Drug Product Design and Performance, Smolen and Ball (eds.), Wiley, New York (1984);Ranger and Peppas, J. Macromol. Sci. Rev. Macromol. Chem., 1983, 23, 61を参照のこと;さらに、Levy et al., Science, 1985, 228, 190;During et al., Ann. Neurol., 1989, 25, 351;Howard et al., J. Neurosurg., 1989, 71, 105を参照のこと)。なお別の態様において、制御放出系は、本発明の化合物の標的(例えば、肝臓)に近接して配置され得、従って、全身用量の一部分のみを必要とする(例えば、Goodson, Medical Applications of Controlled Release, 上記参照, vol. 2, pp. 115-138 (1984)を参照のこと)。Langer, Science, 1990, 249, 1527-1533によって概観において議論される他の制御放出系が使用され得る。
0119
本組成物は、治療的有効量の本発明の化合物、場合により2以上の本発明の化合物を、好適には精製された形態で、哺乳動物への適切な投与用の形態を提供するための好適な量の薬学的に許容されるビヒクルと共に、含有する。
0120
特定の態様において、語句「薬学的に許容される」は、連邦若しくは州政府の規制機関によって認可されるか、又は、動物における、より特にはヒトにおける使用についての米国薬局方若しくは他の一般的に承認された薬局方に列挙されることを意味する。用語「ビヒクル」は、それらと共に本発明の化合物が投与される、希釈剤、アジュバント、賦形剤、又は担体を指す。これらの薬学的ビヒクルは、液体、例えば水及び油、例えば、石油、動物、植物又は合成起源のもの、例えば、落花生油、大豆油、鉱油、ゴマ油などであり得る。薬学的ビヒクルは、食塩水、アラビアゴム、ゼラチン、デンプン糊、タルク、ケラチン、コロイドシリカ、尿素などであり得る。さらに、助剤、安定剤、増粘剤、滑沢剤及び着色剤が使用され得る。哺乳� ��物へ投与される場合、本発明の化合物及び薬学的に許容されるビヒクルは、無菌である。本発明の化合物が静脈内投与される場合、水は好適なビヒクルである。食塩水溶液及び水性デキストロース及びグリセロール溶液もまた、液体ビヒクルとして、特に注射可能溶液について、使用され得る。好適な薬学的ビヒクルとしてはまた、賦形剤、例えば、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、グリセロールモノステアレート、タルク、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレングリコール、水、エタノールなどが挙げられる。本組成物は、必要に応じて、少量の湿潤剤若しくは乳化剤、又はpH緩衝剤も含有し得る。
0121
本組成物は、液剤、懸濁剤、エマルジョン、錠剤、丸剤、ペレット剤、カプセル剤、液体を含有するカプセル剤、散剤、徐放性製剤、坐剤、エマルジョン、エアロゾル剤、スプレー剤、懸濁剤の形態、又は使用に好適な任意の他の形態をとり得る。1態様において、薬学的に許容されるビヒクルはカプセルである(例えば、米国特許第5,698,155号を参照のこと)。好適な薬学的ビヒクルの他の例は、Remington's Pharmaceutical Sciences, A.R. Gennaro (Editor) Mack Publishing Co.に記載されている。
0122
別の態様において、本発明の化合物は、ヒトへの静脈内投与に適合された薬学的組成物として慣用的手順に従って製剤化される。典型的に、静脈内投与用の本発明の化合物は、無菌等張水性緩衝液中の液剤である。必要に応じて、組成物はまた可溶化剤を含み得る。静脈内投与用の組成物は、場合により、注射部位での痛みを緩和するためにリドカインなどの局所麻酔薬を含み得る。一般的に、成分は、例えば、活性薬剤の量を表示するアンプル又はサシェ(sachette)などの密封された容器中の凍結乾燥粉末又は水を含有しない濃縮物として、単位投薬形態で、別々に又は一緒に混合された状態で供給される。本発明の化合物が注入によって投与される場合、それは、例えば、無菌の医薬品グレードの水又は食塩水を含有する注入ボトルを� �いて、調剤され得る。本発明の化合物が注射によって投与される場合、注射用の滅菌水又は食塩水のアンプルが、投与前に成分が混合され得るように提供され得る。
0123
本発明の組成物は、経口投与され得る。経口送達用の組成物は、例えば、錠剤、ロゼンジ、水性若しくは油性懸濁剤、顆粒剤、散剤、エマルジョン、カプセル剤、シロップ剤、又はエリキシル剤の形態であり得る。経口投与される組成物は、薬学的に口当たりがよい調製物を提供するために、場合により、1つ又はそれ以上の薬剤、例えば、甘味剤、例えば、フルクトース、アスパルテーム又はサッカリン;矯味矯臭剤、例えば、ペパーミント、ウインターグリーン油、又はチェリー;着色剤;及び保存剤を含有し得る。さらに、錠剤又は丸剤形態の場合、組成物は、胃腸管における崩壊及び吸収を遅らせ、それによって長期間にわたって持続作用を提供するために、コーティングされ得る。浸透圧活性駆動化合物を囲む選択的透過膜もま� ��、経口投与される本発明の化合物について好適である。これらの後者のプラットフォームにおいて、カプセル剤を囲む環境からの流体は、駆動化合物によって吸収され、これは、膨潤して、開口部を通じて薬剤又は薬剤組成物に取って代わる。これらの送達プラットフォームは、即時放出製剤の急上昇プロフィールとは対照的に、本質的にゼロオーダーの送達プロフィールを提供し得る。時間遅延物質、例えば、グリセロールモノステアレート又はグリセロールステアレートも使用され得る。経口組成物は、標準的なビヒクル、例えば、マンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどを含み得る。このようなビヒクルは、好ましくは、医薬品グレードのも� �である。
0124
本明細書に開示される特定の障害又は状態の治療において有効である本発明の化合物の量は、障害又は状態の性質に依存し、標準的な臨床技術によって決定され得る。さらに、インビトロ又はインビボアッセイが、場合により使用され、最適な投薬量範囲を同定するに役立ち得る。組成物中において使用される正確な用量はまた、投与経路、及び疾患又は障害の重症度に依存し、医師の判断及び各哺乳動物の状況に従って決定されるべきである。しかし、経口投与についての好適な投薬範囲は、一般的に、本発明の化合物約0.001ミリグラム/キログラム体重(mg/kg)〜200mg/kgである。本発明のある態様において、経口用量は、0.01mg/kg〜70mg/kg、又は0.1mg/kg〜50mg/kg、又は0� ��5mg/kg〜20mg/kg、又は1mg/kg〜10mg/kgである。ある態様において、経口用量は、本発明の化合物5mg/kgである。本明細書に記載される投薬量は、投与される総用量を指し;即ち、2以上の本発明の化合物が投与されるとしても、所望の投薬量は、投与される本発明の化合物の総量に対応する。経口組成物は、有効成分を10質量%〜95質量%含有し得る。
0125
静脈内(i.v.)投与についての好適な投薬量範囲は、0.01mg/kg〜100mg/kg、0.1mg/kg〜35mg/kg、及び1mg/kg〜10mg/kgである。鼻腔内投与についての好適な投薬量範囲は、一般的に、約0.01pg/kg〜1mg/kgである。坐剤は、一般的に、本発明の化合物を0.01mg/kg〜50mg/kg含有し、有効成分を0.5wt%〜10wt%の範囲で含む。皮内、筋内、腹腔内、皮下、硬膜外、舌下、脳内、腟内、経皮投与、又は吸入による投与についての推奨される投薬量は、0.001mg/kg〜200mg/kgの範囲内である。局所投与についての本発明の化合物の好適な用量は、本化合物が投与される領域に応じて、0.001mg/kg〜1mg/kgの範� ��内である。有効用量は、インビトロ又は動物モデル試験系から誘導される用量反応曲線から推定され得る。このような動物モデル及び系は、当該技術分野において周知である。
0126
本発明はまた、1つ又はそれ以上の本発明の化合物が充填された1つ又はそれ以上の容器を含む薬学的パック又はキットを提供する。場合により、このような容器は、医薬品又は生物学的プロダクトの製造、使用又は販売を規制する政府機関によって定められた形式の通知書を伴い得、この通知書は、ヒト投与についての製造、使用又は販売の機関による認可を反映する。ある態様において、キットは、2以上の本発明の化合物を含有する。別の態様において、キットは、本発明の化合物と、スタチン、チアゾリジンジオン、又はフィブラートを含む(これらに限定されない)別の脂質媒介化合物とを含む。
0127
本発明の化合物は、ヒトにおける使用の前に、所望の治療的又は予防的活性について、インビトロ及びインビボでアッセイされ得る。例えば、特定の本発明の化合物又は本発明の化合物の組み合わせの投与が脂肪酸合成を低下させるために好適であるかどうかを決定するために、インビトロアッセイが使用され得る。本発明の化合物はまた、動物モデル系を使用して有効かつ安全であると実証され得る。
0128
他の方法が当業者に公知であり、本発明の範囲内にある。
0129
併用療法
本発明のある態様において、本発明の化合物は、少なくとも1つの他の治療剤を用いる併用療法において使用され得る。本発明の化合物及び前記治療剤は、相加的に又は相乗的に作用し得る。1態様において、本発明の化合物を含む組成物は、本発明の化合物と同一の組成物又は異なる組成物の一部であり得る、別の治療剤の投与と同時に投与される。別の態様において、本発明の化合物を含む組成物は、別の治療剤の投与の前又は後に投与される。本発明の化合物が治療において有用である障害の多くは慢性障害であるので、1態様において、併用療法は、例えば、特定の薬物に関連する毒性を最小化するために、本発明の化合物を含む組成物の投与と別の治療剤を含む組成物の投与とを交互に行うことを含む。各薬物又は治療剤の投� �の期間は、例えば、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、又は1年であり得る。ある態様において、本発明の組成物が、毒性を含むがこれに限定されない副作用を潜在的に生じさせる別の治療剤と同時に投与される場合、該治療剤は、有利には、副作用が誘発される閾値未満の用量で投与され得る。
0130
本組成物は、スタチンと一緒に投与され得る。本発明の化合物と組み合わせての使用についてのスタチンとしては、アトルバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、シンバスタチン、及びセリバスタチンが挙げられるが、これらに限定されない。
0131
本組成物はまた、PPARアゴニスト、例えば、チアゾリジンジオン又はフィブラートと一緒に投与され得る。本発明の化合物と組み合わせての使用についてのチアゾリジンジオンとしては、5−((4−(2−(メチル−2−ピリジニルアミノ)エトキシ)フェニル)メチル)−2,4−チアゾリジンジオン、トログリタゾン、ピオグリタゾン、シグリタゾン、WAY−120,744、エングリタゾン、AD5075、ダルグリタゾン、及びロシグリタゾンが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の化合物と組み合わせての使用についてのフィブラートとしては、ゲムフィブロジル、フェノフィブラート、クロフィブラート、又はシプロフィブラートが挙げられるが、これらに限定されない。前述したように、治療的有効量の� ��ィブラート又はチアゾリジンジオンは、しばしば、毒性副作用を有する。従って、ある態様において、本発明の組成物がPPARアゴニストと組み合わせて投与される場合、PPARアゴニストの投薬量は、有毒な副作用が伴うもの未満である。
0132
本組成物はまた、胆汁酸結合樹脂と一緒に投与され得る。本発明の化合物と組み合わせての使用についての胆汁酸結合樹脂としては、コレスチラミン及びコレスチポール塩酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。
0133
本組成物はまた、ナイアシン又はニコチン酸と一緒に投与され得る。
0134
本組成物はまた、RXRアゴニストと一緒に投与され得る。本発明の化合物と組み合わせての使用についてのRXRアゴニストとしては、LG100268、LGD1069、9−cisレチノイン酸、2−(1−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)−シクロプロピル)−ピリジン−5−カルボン酸、又は4−((3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル)2−カルボニル)−安息香酸が挙げられるが、これらに限定されない。
0135
本組成物はまた、抗肥満薬と一緒に投与され得る。本発明の化合物と組み合わせての使用についての抗肥満薬としては、β−アドレナリン作動性受容体アゴニスト、例えば、β−3受容体アゴニスト、シブトラミン、ブプロピオン、フルオキセチン、及びフェンテルミンが挙げられるが、これらに限定されない。
0136
本組成物はまた、ホルモンと一緒に投与され得る。本発明の化合物と組み合わせての使用についてのホルモンとしては、甲状腺ホルモン、エストロゲン及びインスリンが挙げられるが、これらに限定されない。好適なインスリンとしては、注射用インスリン、経皮インスリン、吸入インスリン、又はそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。インスリンの代替物として、インスリン誘導体、分泌促進薬、増感剤又は模倣物が使用され得る。本発明の化合物と組み合わせての使用についてのインスリン分泌促進薬としては、フォルスコリン、ジブトリルcAMP(dibutryl cAMP)又はイソブチルメチルキサンチン(IBMX)が挙げられるが、これらに限定されない。
0137
本組成物はまた、チロホスチン(tyrophostine)又はそのアナログと一緒に投与され得る。本発明の化合物と組み合わせての使用についてのチロホスチンとしては、トリオホスチン51(tryophostine 51)が挙げられるが、これに限定されない。
0138
本組成物はまた、スルホニル尿素系薬物と一緒に投与され得る。本発明の化合物と組み合わせての使用についてのスルホニル尿素系薬物としては、グリソキセピド、グリブリド、アセトヘキサミド、クロルプロパミド、グリボルヌリド、トルブタミド、トラザミド、グリピジド、グリクラジド、グリキドン、グリヘキサミド、フェンブタミド、及びトルシクラミドが挙げられるが、これに限定されない。
0139
本組成物はまた、ビグアニドと一緒に使用され得る。本発明の化合物と組み合わせての使用についてのビグアニドとしては、メトホルミン、フェンホルミン及びブホルミンが挙げられるが、これに限定されない。
0140
本組成物はまた、α−グルコシダーゼ阻害薬と一緒に投与され得る。本発明の化合物と組み合わせての使用についてのα−グルコシダーゼ阻害薬としては、アカルボース及びミグリトールが挙げられるが、これに限定されない。
0141
本組成物はまた、アポA−Iアゴニストと一緒に投与され得る。1態様において、アポA−Iアゴニストは、アポA−Iのミラノ(Milano)形態(アポA−IM)である。1態様において、本発明の化合物と併用しての投与についてのアポA−IMは、米国特許第5,721,114号の方法によって製造される。別の態様において、アポA−Iアゴニストは、ペプチドアゴニストである。別の態様において、本発明の化合物と併用しての投与についてのアポA−Iペプチドアゴニストは、米国特許第6,004,925号又は第6,037,323号のペプチドである。
0142
本組成物はまた、アポリポ蛋白E(アポE)と一緒に投与され得る。1態様において、本発明の化合物と併用しての投与についてのアポEは、米国特許第5,834,596号の方法によって製造される。
0143
なお他の態様において、本組成物は、HDL増加薬;HDLエンハンサー;又は、アポリポ蛋白A−I、アポリポ蛋白A−IV及び/又はアポリポ蛋白遺伝子の調節因子と一緒に投与され得る。
0144
心臓血管薬との併用療法
本組成物は、公知の心臓血管薬と一緒に投与され得る。心臓血管疾患を予防又は治療するための本発明の化合物と組み合わせての使用についての心臓血管薬としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:末梢性抗アドレナリン作動薬、中枢作用性抗高血圧薬(例えば、メチルドパ、メチルドパHCl)、抗高血圧性直接血管拡張薬(例えば、ジアゾキシド、ヒドララジンHCl)、レニン−アンギオテンシン系に影響を与える薬物、末梢血管拡張薬、フェントラミン、抗狭心症薬、強心配糖体、強心血管拡張薬(inodilator)(例えば、アムリノン、ミルリノン、エノキシモン、フェノキシモン、イマゾダン、スルマゾール)、抗不整脈薬、カルシウム流入阻害薬、ラニチン(ranitine)、ボセンタン、及びレズリン(rezulin)。
0145
癌治療についての併用療法
本組成物は、照射又は1つ又はそれ以上の化学療法剤での治療と一緒に投与され得る。照射治療について、照射は、γ線又はX線であり得る。放射線療法の概観については、Hellman, Chapter 12: Principles of Radiation Therapy Cancer, Principles and Practice of Oncology, DeVita et al., eds., 2nd. Ed., J.B. Lippencott Company, Philadelphiaを参照のこと。有用な化学療法剤としては、メトトレキサート、タキソール、メルカプトプリン、チオグアニン、ヒドロキシ尿素、シタラビン、シクロホスファミド、イホスファミド、ニトロソウレア、シスプラチン、カルボプラチン、マイトマイシン、ダカルバジン、プロカルビジン(procarbizine)、エトポシド、カンパテシン(campathecin)、ブレオマイシン、ドキソルビシン、イダルビシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、プリカマイシン、ミトザントロン、アスパラギナーゼ、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、パクリタキセル、及びドセタキセルが挙げられるが、これらに限定されない。ある態様において、本発明の組成物は、さらに、1つ又はそれ以上の化学療法剤を含み、及び/又は、放射線療法� �同時に投与される。他の態様において、化学療法又は放射線療法は、本組成物の投与の前又は後に、例えば、本発明の組成物の投与の少なくとも1時間、5時間、12時間、1日、1週間、1ヶ月、又は数ヶ月(例えば、3ヶ月まで)後に、適用される。
0146
実施例
II型糖尿病は、正常量のインスリンの存在下での高血中グルコース値を特徴とする。II型糖尿病の動物モデルは、高レベルのグルコースを投与し、血中グルコース値と、長時間にわたってグルコース恒常性を維持する実験動物の能力を測定することを含む。スルホニル尿素、チアゾラジンジオン(thiazoladinedione)(PPARγアゴニスト;グリタゾン)又はメトホルミン(グルコファージ)を含む、いくつかの薬理学的構造クラスが、この高血糖応答を有効に調節し得る。これらの薬物クラスはまた、ヒトにおける使用について臨床的に承認されている。今回の研究において、高血糖症のマウスモデルを、高レベルのグルコースをマウスへ投与することによって確立した。メトホルミンが血中グルコースロードを有効に低下させ得るこ� ��を実証することによって、II型糖尿病のこのモデルを確認した。
0147
実施例1:経口ブドウ糖負荷試験(実例)
グルコースを150mg/mlの濃度で水中において調剤し、10ml/kgの体積で投薬し、1.5g/kgの用量を作製した。Ascensia II Elite XLグルコースモニター(Bayer)を使用して、グルコースを測定した。尾の先端から小さな(2mm)切片を採取し、グルコーステストストリップ上に血を取ることによって、グルコースを測定した。各時点についてのデータを、ANOVA及びpost−hoc Tukey検定によって分析した。0.05未満(less then)のp値を、統計的有意性を示すために使用した。2つの研究を以下の化合物102で行った。
0148
研究1において、以下のように、マウスに化合物102及びグルコースを投薬した:
表1
0149
研究2において、以下のように、マウスに化合物102及びグルコースを投薬した。
表2
0150
研究3は化合物102をテストし、以下のように行った:
表3
0151
研究1において、30mg/kgの用量での化合物102の単回投与は、正常な血中グルコース値(グルコースローディング前)を有意に減少させ、経口グルコース投与によって引き起こされた血中グルコース値を有意に減じた。有意性は、薬物投与の90分後に失われた。
0152
研究2において、投薬を増加すると、化合物102は、血中グルコース値に対してより劇的な効果を引き起こした。
0153
化合物105もまた、血中グルコース値の劇的な減少を引き起こした。2又は10mg/kgの単回用量は、投与後の全時点で有意に(P<0.05)血中グルコース値を減少させた。ベースライン血中グルコース値もまた顕著に低下された。
0154
実施例2:西洋式食事(実例)
雄性CD1/ICRマウスをHarlanから得た。マウスが8週齢のときに研究を開始した。研究の開始前に、マウスを24時間絶食させた。マウスに、北米及び欧州の「典型的な」ヒトの食事に近づくように設計された「西洋式食事」を与えた(Research Diets;New Brunswick,NJ;西洋式食事組成物)。西洋式食事は、通常の餌よりも5倍以上より多くの脂肪を含有した。
0155
表4
0156
24時間絶食期間の開始から始めて毎日、マウスの体重を測定した。食物摂取量を連続してモニタリングした。研究の開始の7日、14日、21日及び28日後に、後眼窩眼内出血(retroorbital eyebleed)によって、マウスから採血した。REBの日に、出血の1時間前に、マウスへ1×全用量を投薬した。研究の終了時(第31日)に、脂肪体を切開し、重さを量り、そして凍結乾燥した。以下の脂肪体を切開した:褐色、鼡径、軸、腸間膜、腎臓、及び精巣上体(epidydimal)。ANOVA続いてpost−hoc Tukey検定によってデータを平均化及び分析し、0.05未満(less then)のp値は統計学的有意性を示した。
0157
化合物102の投与は、テストした最も高い用量(30mg/kg/日)で、有意に体重増加を減少させた。この効果は、絶対体重を測定した場合、及び第0日からの体重変化を測定した場合も、明らかであった。食物摂取量は、化合物102投与によって影響されなかった。
0158
脂肪体質量は、通常の餌を与えられた動物と比較して、西洋式食事動物において有意に上昇した。化合物102投与は、褐色、軸、鼡径、腎臓及び精巣上体脂肪体増加を有意に減少させたが、腸間膜レベルは減少させなかった。
0159
化合物102の投与は、西洋式食事を与えられた動物における体重変化を有意に変更し、これは、食物摂取量に対する効果とは無関係であり、脂肪体発達の減少と関連した。
0160
実施例3:西洋式食事で処置した動物中におけるレプチンレベル(実例)
西洋式食事(化合物102)についてであるマウスからの血液を、レプチンレベルについて分析した。研究の開始の7日、14日、21日及び28日後に、後眼窩眼内出血によって、マウスから採血した。REBの日に、出血の1時間前に、マウスへ全用量を1回投薬した。レプチンレベルを指示通りにELISA(R&D Systems)によって測定した。データを平均値±SEMとして表す。ANOVA続いてpost−hoc Tukey検定によってデータを平均化及び分析し、0.05未満(less then)のp値は統計学的有意性を示した。
0161
西洋式食事は、早くも研究の開始後1週間で、血中レプチンレベルの有意な減少に至った。これらのレプチンレベルは、通常の食事を与えられた動物のレプチンレベルとは相違しなかった。西洋式食事を与えられた動物への化合物102の投与は、通常の食事を与えられたものと比べてレプチンレベルを減少させた。この減少は、脂肪体発達の低下を反映し得、この事象の二次的なものであり得た。
0162
これらのデータと体重増加についてのデータとをまとめると、食物摂取量及び脂肪体発達は、西洋式食事を与えられ化合物102で処置された動物は、通常の食事を与えられたものとは相違しているようには見えないことを示した。
0163
実施例4:インビボDb/Dbマウス研究(実例)
Db/Db及びDb/leanマウスを6週齢時にHarlanから得た。マウスを1ケージ当たり3匹収容し、通常のげっ歯類の餌を適宜給餌した。マウスを12時間明:暗サイクルに維持した。
0164
マウスが8週齢に達しかつそれらのベースライン血中グルコース値が200mg/dlよりも大きくなったときに、研究を開始した。化合物102を、PBS:2N HCl(99:1)中において、0.5、1.5及び5mg/mlの濃度で、調剤した。マウスに10ml/kgの体積で投薬し、5、15及び50mg/kg/用量の用量を作製した。明サイクルの間、1日当たり2回、8時間間隔で(午前8時及び午後4時)、マウスに投薬した。
0165
グルコース研究
急性血中グルコース測定値について、動物に化合物102の最初の用量を受容させた後、血中グルコース値を測定した。この最初の注射の2時間後に血中グルコース値を測定した。
0166
Db/Dbレプチン受容体欠損糖尿病/メタボリックシンドローム動物モデルにおいて、化合物102は、動物の体重増加及び血中グルコース値の両方に対して用量依存性効果を示した。この研究において、4週間にわたって2回/日、マウスに化合物102 IPを投薬した。有意に異なる動物体重が、Db/Dbビヒクル処置マウスと、5mg/kg、15mg/kg(p<0.05)及び50mg/kg(p<0.01)の用量で化合物102を受容したマウスとの間で観察された。化合物102はまた、急性投与後に血中グルコース値を減少させることが示された。動物はまた、研究開始時及び毎週の血中グルコーステスト時に、15mg/kg及び50mg/kg用量群において、急性用量応答を実証した。
0167
肥満症研究
マウスに、28日間、1日当たり2回(bid)、ビヒクル又は薬物(即ち、化合物102)(5、15、及び50mg/kg)を投与した。マウス体重及び食物摂取量を毎日モニタリングした。食物摂取量を、24時間当たりマウス1匹当たりの食物摂取量(グラム)として報告した。
0168
マウスへ長期投与した場合、化合物102は、高脂肪食事を与えられたマウスに対して体重増加応答を有意に阻害した。この効果について明白で自明な説明はない。動物は、ビヒクル処置動物と比べて通常の食物摂取量を実証した。また、動物は、正常に排便し、アンフェタミンクラスの減量薬物に通常伴う活動亢進を示さなかった。
0169
実施例5:インビボでのZuckerラット研究(実例)
Zuckerラット及び対応のleanラットはHarlanによって供給された。ラットに通常の食事を適宜給餌し、12時間明/暗サイクルに維持した。ラットを1ケージ当たり3匹収容した。
0170
グルコース研究
12週齢時に、Zuckerラットに30mg/kg(ip)の濃度で化合物102を投与した。血中グルコース値を投与の30分後に測定した。薬物投与の45分後、動物にグルコース溶液(1.5g/kg)を経口強制飼養によって投与した。血中グルコース値を、4.5時間の強制飼養後の30分毎に測定した。
0171
1群当たり3匹の動物を含む3群が存在した:1)3匹のZucker lean(薬物無し;グルコース処置無し);2)Zuckerビヒクル処置群(グルコースチャレンジした);及び3)Zucker化合物102処置(30mg/kg);グルコースチャレンジした。
0172
経口グルコース投与によって、投与後の2つの時点:30分及び270分で血中グルコース値が上昇した。化合物102の投与は両方の時点で血中グルコース値を減少させた。
0173
実施例6:インスリン、レプチン及びコルチコステロンレベルに対する化合物102の効果(実例)
図1を参照して、化合物102を記載の用量でマウスへ投与し、投与の1時間後にインスリン、レプチン、及びコルチコステロンの血中レベルを測定した。化合物102は、これらのレベルに影響を与えなかった。これらのデータは、化合物102の血中グルコース低下効果が、これらの代謝ホルモンの変化とは無関係であることを示した。
0174
実施例7:インビボでのIRS−1及びAKTリン酸化に対する化合物102の効果(実例)
化合物102がインビボでlynキナーゼを活性化するかどうかを測定するために、以下の研究を行った。この測定を、化合物102で処置したマウスにおけるLynの下流の基質の活性化(リン酸化)を測定することによって行った。図2A、2B及び3を参照して、マウスに記載の用量で化合物102を投与した。薬物投与の90分後、脂肪体及び肝臓を除去した。抗ホスホチロシン抗体を使用しかつIRS−1又はAKT抗体でプローブする免疫沈降によって、IRS−1リン酸化を測定した。
0175
化合物102投与によって、IRS−1及びAKTのリン酸化が増加された(図2A、2B、及び3を参照のこと)。簡潔には、化合物102は、Lynキナーゼを直接活性化した。活性化されたLynキナーゼは、IRS−1をリン酸化した。活性IRS−1は、PI3キナーゼの活性化を介して間接的にAKTを活性化する。AKTは、II型糖尿病についての標的として提案されている。
0176
本発明は、実施例に開示される特定の態様による範囲に限定されず、実施例は、本発明の僅かな局面の例示として意図され、機能的に均等であるいずれも態様も本発明の範囲内にある。実際に、本明細書において示され説明されたものに加えて、本発明の種々の修飾が、当業者に明らかであり、添付の特許請求の範囲内に入るように意図される。
0177
多数の参考文献が本明細書において引用され、これらの全開示は、参照によってそれらの全体が本明細書に組み入れられる。
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