リウマチ患者さんからの質問
リウマチ専門医にずっと通院していますが、じわじわと変形が進んでいるようです。
CRPが低い(0.5以下)ので、先生からは良くなってよかったねと言われている。
しかし自分としてはまだかなり痛みがあり生活に支障が大きい。血液検査の数字が低いので、あなたはこれだけ良く
なれば十分だと言われてしまい、それ以上の治療をしてもらえないのですが。
お答え
血液データばかり見ていてあまり、人間としての患者さんを診てくれない先生もいます。
検査料が高額な血液検査をたくさん調べて、難しい説明をするだけでいっこうに痛みをとってくれない先生もいます。
また、10年前のリウマチの治療レベルではCRPが1.0以下であれば上出来という感覚があり、いまだにそれで満足してしま
う先生が多いのです。
自由が丘整形外科の場合、痛みをゼロにすること(すなわち臨床的寛解)がリウマチ医としての使命と考えています。
CRPがまったく正常範囲でも痛みや腫れが続く限り、治療が不十分だと考えます。実際、CRPが0.2以下にもかかわらず
MTXや生物学的製剤を投与または増量することでさらによくなったケースはいくらでもみられます。
逆に、数字がひどく高い割にあまり痛がらない人なども、ときにみられます。
血液データはあくまでも目安に過ぎないことを忘れてはいけません。
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リウマチ患者さんからの質問
ステロイド剤で何とか痛みは治まっているが、このまま続けると副作用が心配です。
最近顔に脂肪がついて丸くなってきたのですが。
お答え
いつまでも痛みをとってくれない先生よりは、ステロイドの注射などでとりあえず痛みをとってくれる先生はまだましといえます。
ただし、MTXやその他のリウマチ薬が効いてくるまでのつなぎ、または不十分な場合の補完的な使い方をすべきです。
プレドニン1日5mgでも少量といわれますが、長期的にはさまざまな副作用を全身の臓器に及ぼします。私たちは完全中止
または1日2−3mg以内を目標に治療しています。できれば痛い時だけの屯服にしたいものです。
5-10mg程度のプレドニンを数年以上使用された患者さんは、眼には見えなくても、全身の臓器・組織の毛細血管の老化
(動脈硬化)・骨粗鬆症が進んでいます。
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リウマチ患者さんからの質問
MTX(=メトトレキサート、リウマトレックスなど)が効いてはいるが、まだ痛み・腫れが残っており、年々、少しずつ
変形が進んでいるようだ。
お答え
ごく軽症のリウマチを除いてMTX8mg(1週間にリウマトレックス4カプセル)以下の量で、寛解を達成することは難しいというの
が我々の得た結論です。
私たちの投与経験(数千名)からいうと、日本人でもおよそ40−50%の患者さんは10mg以上のMTXを必要とします。
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リウマチ患者さんからの質問
少しでも良くなりたいので、エンブレル、レミケード・ヒュミラ・アクテムラなどの最新の注射薬を使ってみたいと主治医
の先生に相談してみたところ、まだあなたには必要がないと言われてしまい使ってもらえないのですが。
お答え
日本で保険適応になったのは、レミケード2003年(米国1999年)がやエンブレルが2005年(米国1998年)です。
欧米では日本に先立ってすでに、4−7年間広く使用されてきました。すでにその時点で、その安全性と目覚しい効果が実証
されているわけです。
私達、自由が丘整形外科の医師たちもこの2つの薬を使用してみて、使えば使うほど、副作用が少なく、よく効く良い薬だと
いう実感を深めました。
もちろん最初は誰しも、使用経験がないわけですから、慎重になるのはわかります。治験の結果と全世界での実績を信じて
使用するしかありません。
私達は合計900名以上のかたにこれら生物製剤を投与してきました。
医師・看護師はおそらく日本1−2の経験と知識を持っていると思います。
安全管理・感染症予防対策も徹底しておこなっています。
その間、どんな患者さんがどんな反応を示すのか、どんな人に効きやすいか、患者さんが教えてくれるさまざまな変化、反応、
副作用(かゆみ程度の軽いものから、重篤なカリニ肺炎まで)を毎日のように経験しています。その結果、現在ではこれらの薬
のいろいろな癖を知り、使用に習熟していると同時に、MTXと同様これらの薬を信頼するようになりました。同時にどのような
使用法が危険かも熟知しています。
ですから、日本の他のリウマチ専門医と比較し、私がこれらの薬剤を投与するしきいはかなり低くなっています。
これは、欧米でのリウマチ治療のトレンドとまったく同様の流れになっています。